「豚を学ぶ会」を終えて

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モクモク手づくりファームには、農業、モノづくり、レストラン、体験教室、物流、事務などいろいろな仕事があります。すべて食べもの・農業に関わる仕事ではありますが、日々の仕事を充実させるために不定期でスタッフ勉強会を開き、専門分野を越えて学ぶ機会をつくっています。

今回は、「豚肉と生ハム」がテーマ。部位の構造を見てみたい。豚についてもっと伝えられるようになりたい。一般的な分類ではできない食べ比べをしてみたい。いろいろな参加目的を持って、体験教室、農村料理の店、のんびり牧場、ネイチャークラブ事務局、ファーム企画の担当をしているメンバーが集いました。講師はハム工房の3人。

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通常、モクモクで加工している豚は、県指定の屠畜場で枝肉(豚の半身)になったのち、食肉センターで脱骨・解体され、梱包され、部分肉となって納品されます。生体で110~120kgだった豚は、頭や皮、内臓、主要な骨を除いた部分肉になると60~70kg。

今回は、その部分肉(1頭分)を成形して、生ハムを仕込むまでの行程で、肉の位置関係や部位の説明、脂の特性などを学びました。たとえばとんかつに使うロース肉やヒレ肉はどの部分で、1頭からどのくらいとれるものなのか。モモの中でも肉質が違い、加工の仕方も変えていること。たとえば、ウィンナー教室で使うひき肉はどの部分で、脂身はどこのものを使うのか。脂でも部位によって融点(とける温度)が違うので、商品によって指定部位があることなど、ふだんの仕事への理解がより深まる学びがありました。

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ロースやヒレ、モモなど、スーパーの精肉コーナーでおなじみの部位もあれば、ウデ肉やスネ肉など、ふだんの生活にはなじみのない部位も、1頭の豚から出てくる量はけっこうたくさんありました。ウデやスネはかたくて食べにくい、などの理由で、ひき肉になることの多い部位です。実際に焼いて食べてみると、確かにやや歯ごたえはあるものの、ふだん食べる部位に比べてうまみが強く、おいしく感じたという感想も。

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カットした肉の重量を量り、重量に応じたモクモク門外不出(?)のスパイスの配合で、生ハムの仕込みです。計量した塩やスパイスを、ざらざらと丁寧にすり込む「乾塩法」。すり込み残しのないように気を配りながらすみずみまですり込みます。ロースはコテレートに、バラはパンチェッタに、他の部位はシンプルなモモ生ハムのスパイスで仕込みました。

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塩とスパイスをすりこんだ肉は、皮と皮、身と身を向い合せにして重ね、冷蔵庫で熟成します。小さい部位で1週間程度、大きな部位で2~3週間の熟成を経て、次の作業に進みます。

次回、塩抜きをして、熟成庫につるす作業をしたのち、1~2ヶ月後に生ハムとなります。

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報告:ネイチャークラブ事務局 こまつ