4月からはじまったいちごの学校、
12月10日はついに最終回、収穫と卒業式をおこないました。
いちごの学校に参加してくれたのは全8ファミリーです。
季節とともに成長してきたいちごをお世話し、
真っ赤に熟するまで見届けてきました。
この半年間の締めくくりは、待ちに待った収穫です。
寒いので今日も、朝の会はハウスのなかで。
ここはまだ収穫のはじまっていない⑦番ハウスです。
元気にあいさつをして、最終回がはじまりました。
【1限目 おべんきょうの時間】
今年の収穫は、12月3日からはじまっています。
2週間前の「摘果(てきか)」の回では、
ひと房になった実にまんべんなく栄養がいくように
実のかずを減らすという作業をしました。
収穫は、その摘果の約1週間後からはじまりました。
ピークは4月、なんと400kgも穫れる日がありますが
今は1日20kgずつくらいを摘み取っています。
いちごスタッフの最近のいちにちは、収穫して、水やりをして、
放っておいたらわさわさとなってしまういちごの株の管理作業をして、という感じ。
今完熟になっているのはハウス9棟のうち3棟の、
しかも一番成長のはやい「頂果(一番はじめになる実)」だけです。
去年の今ごろだったら5棟分くらいは収穫がはじまっていたのになあ…
という不安をかかえながら、収穫に追われる前にそなえてしっかりと
ランナーや脇芽を取って、収穫前の摘果もしています。
では今日も一番端の①番ハウスに移動して、収穫をおこないます。
【2限目 収穫の時間】
ハウスに入ったとたん、いちごのあま~いかおりが!
2週間前と見ちがえるように真っ赤に熟したいちごにも歓声があがります。
さていよいよ収穫タイム!
まずはおしごととして、ルールを守って完熟の実をとってもらいます。
収穫をする前に、まずは本当に完熟しているかどうかをじっくり見ます。
ヘタの際まで真っ赤になっている実だけを摘み取ります。
もちろん日の当たりにくい裏側もしっかりチェック!
そして、摘み取り方もだいじです。
指で根元をはさむようにして実をつつんで、
手首をつかって折るように収穫します。
ひっぱってはだめ。これがなかなか、コツがいります。
いちごはとってもデリケートです。
なるべくベタベタさわらないように、
収穫したいちごは方向をそろえて「ばんじゅう」に入れていきます。
子どもたちはかならず、「これとっていーい?」と
大人に聞いてから収穫するのがルールです。
順調に育っている実を青いうちにとってしまうととてももったいないので、
スタッフが「ちょっと待ったー!」とチェックに入ることもたびたび。
最初はなかなか「ポキン」と折るのがむずかしかったけれど
みんなだんだん慣れて、コツをつかんできました。
ひと家族につきだいたい1列分の収穫を終えたら、
続いて毎回やってきた観察タイムです。
真っ赤ないちごをおいしく、つやっぽくかいてね!
そして、観察しながら試食もたのしみました。
みんながはじめて自分で摘んで食べるいちご。
「あまっ!」「おさとうみたい!」と、甘さにびっくりです。
「すっぱさもあるけど甘いからおいしいなあ」と味を探る人も。
もちろん、数はまもってね~
今日いちばんの笑顔がそこらじゅうで咲いています。
収穫のさいごには、ギフトセットさながらにいちご専用の包材にいちごを箱づめしました。
パックにおさまったいちごはいっそうきれいに見えます。
【3限目 リーフレットづくり】
お昼をはさんで、午後の部がはじまりました。
まずは、先ほどパック詰めしたいちごのつけるリーフレットをつくってもらいます。
モクモクでは、会員さんにいちごをお届けするときに「リーフレット」をつけて
お送りしています。
私たちがつくるリーフレットには
「いちごの品種」「どんな味か」「どうやって育ててきたか」などを書いています。
いちごのお世話に参加して、成長を見届けてきたみなさんなら
どんな風にこのいちごを紹介するのか、ぜひ見てみたいと思いました。
決まりごとは、
「それを読んで、よりいちごをおいしく味わえるようなリーフレット」をつくること。
味のことをかいても、いちごの1年をかいても、大変だったことをかいても、
絵でうめつくしてもなんでもOKです。
さいしょはなかなか筆がすすまなかったみなさんですが、
だんだんと伝えたいことが決まってきたようです。
こんなに個性豊かなリーフレットができあがりました!
まさに十人十色。みんな、いちごのお世話に参加したからこその
実感のこもったたのしいリーフレットをつくってくれました。
「こんな苦労があったんだ~」「そんなにおいしいのかあ」と、
食べる前に読んだらいっそう味わって食べられそうです。
そして、いちごは摘んで終わりではありません。
いちごをつくるのが「生産チーム」、
そしていちごをパックづめして、野菜塾市場や会員さんへ届けるのが「物流チーム」です。
家族にひとつ、ギフトセットをつくってみます。
「こんなに何層にもつつんでいるなんて!」とびっくり。
おいしい状態で食べてもらうまでが、いちごづくりとも言えます。
【4限目 ふりかえり】
さいごに、いちごの学校全8回を家族でふりかえる時間をとりました。
あらためて思い出してみて、このいちごの学校で感じたことやわかったことを
ひとりひとり発表してもらいます。
「夏のハウスはほんとに暑かった」
「ぼくにとってのいちごの存在が特別になった」
「緊張感のある作業だったけど、経験できてよかった」など、
学校がはじまったころとの気持ちの変化もまじえながら、
時には笑いもあり、ジーンとくる瞬間もあり、
和なごやかな雰囲気でこの半年を振り返ることができました。
そしていよいよ、卒業証書授与です。
みんなでいちごのお世話をし、いちごが真っ赤に熟するまで見届けたことをここに証します。
ぜんぶ参加してくれたひとには、似顔絵つきのメダルも。
やったね!
いちごの学校をとおして、
スタッフ一同も学ばせてもらうことがたくさんありました。
みんなの感想にもあったように
意識が「おいしいいちごたくさん食べるぞ!」から、
「大切に育てたいちごを誰かに味わってほしいなあ」にかわっていったこと、
それと同時に、いちごへの愛着が深まっていったこと
そんなみなさんの変化が、回を重ねるごとに目に見えました。
いちごの学校に参加したことで、みなさんのなかでのいちごがすこし、特別なものに
なったでしょうか。
これからもいちごを食べるときはモクモクでのいちごづくりを想ってくれると嬉しいなあ。
みなさん本当に、ありがとうございました!!
いちごの学校 はーちゃん