いちごの学校 -第7回- ~摘果(てきか)~

いちごの学校も残すところあと2回となってしまいました。
この日のテーマは「摘果」。

収穫が近づいた時期の大事な大事な作業です。

 

10月の「花とミツバチの観察」が台風のため
中止となってしまったので、今回は2か月ぶりとなりました。

受け付けをする日直さんも、すっかり冬のよそおいです。

 

この日は明け方、マイナス1℃ほどまで下がりました。

前回、9月の定植の時はハウス内気温が30℃以上あったので、
あらためて2か月という時間の長さを感じます。

 

朝の会もハウスのなかで。

中に入ると
「あったか~い!」「すごい成長してる!」
と驚きの声があがります。

 

元気に出欠確認をしてはじまりました。

 

 

【1限目 お勉強の時間】

9月24日のいちごの学校でおこなった「定植(子株の植えつけ)」から2か月。

9つあるいちごハウスの定植は約半月つづき、
10月1日までに約41000株を植え終えました。

 

そのあいだ、そして定植してから花が咲くまでのあいだは
「水やり」と「脇芽・ランナー取り」がおもな作業でした。

水やりはほとんど毎日。これがなかなか大変です。

そして株が成長してくると脇芽やランナーが伸びてくるので、
余分な栄養が逃げないようにこまめに取ってやりました。

 

ぴろーんと伸びているのがランナーです。

花が咲きはじめたのは10月の下旬。

出だしは定植から1か月後と順調でしたが、
例年になく雨やくもりの日が続いたために
ほかのハウスでの開花が続かず、全体的には少し遅れています。

 

収穫は、だいたい開花の45日後。

このままいくと12月10日の収穫の回では
まだ穫れはじめかなあ、ちょっと不安だなあという感じです。

もしかすると、卒業式の日を1週ずらすことになるかも…。

今週中に判断したいと思います。

 

【2限目 観察の時間】

今日は作業の前に観察をしました。

というのも、摘果をするためには
いちごの実がどんなふうになっているのか、

その仕組みをまずはよく知らなくてはいけないからです。

 

子どもたちはハチさんに夢中でした。

 

ハチがみつを集めてぶんぶん飛び回ることで、
花の花粉がめしべについて受粉し、実がふくらみます。

ハチ自身は知ってか知らずか、とっても役にたっています。

確かにかわいいですね。

 

観察しながら、いろんな数の花びらも探しました。

いちばん多かったのがこれ。

 

なんと12枚!花の形もなんだか変わっています。

平べったい実になりそう…。

 

 

スケッチが終わったら、また一旦お勉強です。

 

いちばん最初にできる実を「頂果(ちょうか)」といって、
いちごの房は頂果を中心にした15~20個の実でできていること。

小さなつぼみも、やがて花が開いて実がふくらんでくるため
ひとつの「実」として数えることを確認しました。

 

そして今日の『摘果』とは、ひと房になった実を取って数を減らすということです。

 

【3限目 摘果】

なぜ実を減らすのかというと、
減らした分の栄養が残った実にいくようにするためです。

パックで販売するいちごやギフトセット用のいちごは
大きさに基準があるので、ある程度大きい実を収穫したいのです。

 

また、小さな実ばかりたくさん穫れてもスタッフの収穫手間にもなるので、
あらかじめ数をおさえるという作業をひと房につき1回、
頂果の収穫が近くなってきたくらいの時期におこなっています。
摘果をするために、
成長のはやい一番端の①番ハウスへ移動しました。

けっこう遠いんです。

ずんずん進んで子どもたち。

 

さて到着しました。

摘果の説明をおこないます。

 

摘果のポイントは3つ。

 ①頂果はかならず残すこと!

 ②頂果を入れて、約11個の実を残すこと。

 ③大きくて、元気な実を残すこと。

 

ただし難しいのが、「約11個」というのが
あくまでも目安であることです。
この房はもっとたくさんの実が順調に大きくなっているなあ
という場合、数が多くなっても残してやります。

『迷ったら残す!』を合言葉に、摘果をはじめました。

 

今回はスピード勝負ではなく慎重に。

親子で確認しながらしていきます。

 

スタッフが見てまわると、小さなつぼみの見落としもちらほら。

とても細かい作業で、難しいです。
収穫量にもかかわる大事な作業なので、
間違って元気な実を取ってしまったら困るなあと
ひやひやしていたのですが、
「もったいない!」となかなか踏ん切りがつかないようで
お願いしなくてもとっても丁寧に選んでくださってました。

 

ちなみに大きくても、こういう実はとってしまいます。

 

これは受粉がうまくいっていない実で、
うまく大きくなれなかったものです。

 

あっという間に時間が過ぎて、
摘果の回は終了となりました。

 

 

感想でも「むずかしかった」「とても悩んだ」という意見が多く、
取っていいのかなあ…、でもおいしいいちごにしたいし…
と選択を迷っていたみなさんの姿が印象的でした。

これも、「いちごづくり」の大事な作業です。

 

このあと収穫は、おそらく12月5日ごろから
少しずつ始まると思います。

次回はいよいよ卒業式。12月10日を予定していますが、
果たしてどれくらいのいちごが熟しているでしょうか。

 

待ちに待った収穫、とっても楽しみですが
あっという間だった学校をふりかえると
少しさみしいです。

 

それではいちごの学校のみなさん、また2週間後!
元気に登校してください。

 

いちごの学校
はーちゃん