いちごの学校 -第6回- 今回は・・・ひとりでやります!

第6回目のいちごの学校、

今日は…ひとりです。

 

台風が近づいているので、万が一のことも考えて今回は泣く泣く中止となりました。

雨風、強まってきています。
いちごの学校のみなさん、今日は私が代わりに観察してきますので、
おうちで『自習』してください。(子どもたちはおうちの人といっしょによんでね。)

 
【1限目】お勉強の時間おさらいからはじめます。

前回のいちごの学校は9月24日。

みんなで5000株のいちごを定植しました。

 

もちろんその前にはきちんと20cm間隔で穴をあけて、そして朝からたくさんの苗を軽トラで運んでくれた
いちごスタッフの協力があってのことですが、みんなで目標を達成したこと、とっても嬉しかったです!
◎そんな定植で気をつけたことが3つありました。

覚えてるかな?

❶植える深さは、地面とおなじ
(深くうめると、成長点の「クラウン」がうもれて成長のじゃまになるよ!)

 

 

❷根っこが飛び出ていないかな??土のなかにきれいに入れてあげよう。

 

 

❸ランナーの向きは、通路とは反対に。
(いちごの花は、このランナーとは反対側に咲くよ。通路側に花が咲くように、向きに気をつけたね)

 
そんな定植から1か月と5日経ちました。

さてお花は咲いているでしょうか…。

そして、正しい向きに咲いているでしょうか…。

2限目の観察の時間に確かめましょう。

◎さて、定植からの1か月いちごスタッフのお仕事はというと…
定植は9月16日から、10月1日まで続きました。

ちなみに植える順番は、ハウスの番号順になっています。

このあいだは、「水やり」と「定植」、「定植の準備」が主なお仕事です。


そして、定植後しばらくして株が大きくなってくると、「ランナー」が伸びたり、
「わき芽」が生えたりします。

これを取っていく「株の管理」という作業をおこないました。
あとは、台風の影響も受けています。

9棟あるハウスのうち1棟の屋根が傷ついてしまったので、この修理もしなければなりませんでした。
(昨日ようやく終わりました。)

 

【2限目】かんさつ

2つのハウスを観察します。

観察シートがこちら

 

まずは⑦番のハウス、
前回のいちごの学校で定植をしたハウスへ行きます。

・植えた日:9月24日(1か月と5日たちました)

・ハウスの気温:22度

 

花はどうでしょう。

うーん、おしい!つぼみです。

 

こちらもつぼみ。今にも咲きそう。

 

これは、つぼみが5つついています。

ひとつは裏に隠れていますが、わかりますか?

 

残念ながら、7番ハウスでは花は咲いていませんでした。

 

お花が咲くかどうかは「積算温度」といって、毎日の気温の合計が大きく影響します。

ところがこの10月、異常なほど晴れの日が少ないことに気づいたでしょうか。

晴れないと気温もあがらないので、遅れて植えたハウスほど特に
いちごの成長もより遅くなります。
お花が咲いていたのは残念!0%でしたが、あと2日ほど晴れがつづけば咲きそうな、
もうひと息!という感じでした。

 

この天気と、そして花もまだ咲いていないので、ミツバチも巣箱でおとなしくしています。

 

つづいて①番のハウスへ。

靴を濡らしながら歩きます。

 

①番ハウスにとうちゃく。

ここは名まえどおりに1番目に定植をしました。

 

・植えた日:9月16日(1か月と13日たちました)

・ハウスの気温:22度

遠目でも、少しようすがちがいます。

 

このハウスでは、10月17日(定植からちょうど1か月後)
に花が咲きはじめました。

開花から12日たち、ひとつの株に花がいくつかついているものもあります。

すでに花びらが落ちて、実がほんの少しふくらんでいるものも!

 

ちなみに、花びらの内側の点々、黄色いものと黒いものがあります。

 

これはいちごの「おしべ」で、黒くなったものはミツバチたちのおかげもあってすでに
「受粉」しているものです。

 

「受粉」したら花びらも落ち、だんだんとお花のまん中の部分がふくらんできます。
これが、私たちが食べる「いちご」になります。

 
花びらの数もさまざま。

一番少なくて1枚から、多くて8枚まで見つけました。

 

いちごの花、絵などでは「5枚」の花びらで表されることが多いです。

実際も5枚であることが多いですが、特にこの咲きはじめの時期は
こんなに個性豊かなのです。

理由は、校長でもわからないそうです。

みつばちのようすは、こちらでも今日は天気が悪いので
巣箱に集まっていました。

このミツバチは、10月24日にやってきて、今は1番から7番のハウスに1箱ずついます。

花から花へと花粉をつけながら飛び回って、「受粉」するお手伝いをしてくれます。

 

 

私のスケッチは、こんな感じになりました。

2つのハウスで全然ようすが違いますね。

 

観察の最後に、ハウスの開け閉めについてお話します。

今日は、台風のためどちらのハウスもぴったりと閉めていますが、普段はこの
ハウスの横側を開け閉めすることで、ハウス内の気温を調節しています。

 

今年は少し、花が咲くのが遅いです。

ということは、収穫できるのも遅れるということ。

なので、夜はなるべくしめ切って、気温が下がりにくいようにしています。

昼も、あまりしめ切っても衛生的によくないので開けますが、
全開ではなく、すかす程度にしています。

 

一方で、気温の高い年に早くからしめ切ってしまうと、どのハウスも温度がそろってしまって、
気を付けないといっせいに花が咲いてしまうのです。

 

収穫がはじまるのは、花が咲いてから約45日。

理想は、1つのハウスの収穫量が落ちてきたころに、次のハウスの収穫量がピークになること。

そして、全体的に収穫量が多い時期が、いちごの出番であるクリスマス前に重なることです。

 

そうやってうまく次のハウスへとつなげるために、このハウスの開け閉めがとても大事です。

野口校長を含め、いちごスタッフがくるくるとハンドルを回して開け閉めしています。

 

 

【3限目】ランナー・わき芽取り

最後に、いちごの株のお手入れをします。

 

定植から3~4週間たつと、株が大きくなって「ランナー」や「わき芽」が出てきます。

これがランナー。

 

この、一番左はしから生えているのがわき芽。

ピンク色の太い「クラウン」とは別にはえているよ。

 

たとえば「ランナー」は、たくさん株を増やす夏の「育苗期」には親株と子株をつなぐへその緒として
必要なものでしたが、今後はいちごの株の成長には必要ありません。

できるだけ栄養がにげていかないように、どちらも取ってしまいます。

 

気をつけないといけないのは、花の咲きはじめ、または間もなく咲くよ!という
ときのいちごはとってもデリケートなので、必ず手ぶくろをつけてさわること。

 

しかも、水やりをしたばかりの午前中は特に、葉っぱがやわらかくて折れてしまいやすいのです。

つぼみや花のあるまん中は、あまりさわらないようにします。

 

根元からもって、引き抜きます。

わき芽もぷちっと。

 

これで、いちごの株が「管理」できました。

 

【おわりの会】

いちごは、花が咲いてからだいたい45日で収穫がはじまります。

次回のいちごの学校、11月26日にはどうなっているでしょうか。

 

おそらく⑦番のハウスでは花びらが落ちて、緑色の実がふくらみはじめているくらい。

①番では実が大きくなって、赤く色づいた収穫間近のものもあると思います。

 

11月26日には、大きくなり始めている実をいくつか取ってしまって、
残った実により栄養がいくようにするという作業をおこないます。

大きくておいしいいちごを穫るために、とっても大切なことです。

 

いちごの成長を想像しながら楽しみにしていてください。

 

雨風、ちょっとひどくなってきました。

みなさん外出されるときはお気をつけて。

それではまたお会いできるのを楽しみにしています!

 

いちごの学校
はーちゃん